【10月の言葉】日々の努めは 先の安心

結果はすぐに出なくても、日々の積み重ねが大切。
勉強も仕事も、そしてお念仏もそれぞれが心の支えになり、やがてよい結果につながるものです。
Invest in the future every day and you will be ready for whatever tomorrow brings.
**********************************************
浄土宗月訓カレンダーの10月の言葉。
字は大本山善導寺第68世法主日下部匡信台下の揮ごうです。
**********************************************

読書の秋、スポーツの秋というように、秋は何かを行うのによい季節とされています。この機会に、資格の勉強や新しい習慣に挑戦しようという方もいらっしゃるでしょう。

ただ、勉強でも仕事でも、努力の成果はすぐには出ません。

英単語を毎日十個覚えても、翌週のテストの点が劇的に上がるわけではない。新人のころの地味な作業が、仕事の土台になっていたと気づくのは、何年も経ってからです。毎日の積み重ねは、その日のうちには報われにくい。だから、つい「どうせ変わらない」と思ってしまいます。

夏休みの宿題を最終日に慌てて片づけた記憶はありませんか? 人間は、今日の面倒さには敏感で、先の安心には鈍感です。これもまた、私たち凡夫のならいです。

しかし、続けてきたことは、思わぬところで支えになります。毎日の勉強で身についた力は、試験本番で自信になりますし、日々の仕事の経験は、困ったときに頼れる引き出しになります。結果が出る前から、積み重ねは心の支えになっているのです。

浄土宗を開いた法然上人は、念仏を日々のつとめとされたと伝えられています。一日に六万遍とも七万遍とも言われ、仏様の前だけでなく、歩いているときも、掃除しているときも、行住坐臥お念仏を称えていたそうです。とても真似できないと思うかもしれませんが、上人が選ばれたのは、難しい修行ではなく、誰でも毎日続けられる「南無阿弥陀仏」の一声でした。続けられなければ意味がない。だから、続けられる形にしたのです。

お念仏は、勉強や仕事のように点数や成績で確かめることができません。朝夕にお仏壇の前で手を合わせ、一声称える。その一分が今日の心を整え、日ごろ口になじんだ言葉は、慌てたときや心細いときにも自然と出てきます。そして、その積み重ねの先にあるのが、この世の評価ではなく、命を終えたのちに阿弥陀さまのお浄土に生まれる「往生」、いちばん先の安心です。

ただし「努め」と聞くと、頑張らなければと身構えてしまうかもしれません。完璧である必要はありません。忘れた日があっても、翌朝また始めればいいのです。続けるコツは、気負わず、小さく、やめないこと。

日々の努めは 先の安心

勉強も、仕事も、お念仏も、今日の小さな一歩が、いつかの自分を楽にしてくれます。この秋、毎日の「ひとつ」を決めてみてはいかがでしょうか。

南無阿弥陀仏

PHP Code Snippets Powered By : XYZScripts.com