【3月の言葉】未来を信じ 今日を励む

目標への道筋は平坦ばかりではありません。
それでも、ゴールを見失うことなく
あゆみ続けることが大切です。
Whether things are going well or not, try your best right now and have trust in the future.
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浄土宗月訓カレンダーの3月の言葉。
字は大本山金戒光明寺清浄華院第76世法主藤本淨彦台下の揮ごうです。
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春は別れの季節であると同時に、出会いの季節でもあります。年度の変わり目でもありますので、卒業式、退職などの「区切り」を迎える方もいれば、入学式、入社式など「はじまり」を迎える方もいらっしゃるでしょう。新たな始まりには、不安もあるかもしれません、でも同時に期待も膨らむものです。

諸行無常は世の常とはいえ、私たちは未来を思い描いて生きています。

こういう未来を迎えたいというビジョンがあれば、そこに向かって今日一日一生懸命生きよう、頑張ろうという気持ちが起こってきます。

未来に対してこうしたい、ああしたいというイメージがなければ、「今だけ」「ここだけ」「自分だけ」よければいいという近視眼的な、刹那的な生き方になってしまいます。未来を信じることは、今をよりよく生きる力にもなるということですね。

未来を信じ 今日を励む

浄土宗的にいえば、未来とは来世といえるでしょう。この世で授かった命だけでなく、この世から離れたあの世の世界も未来に含まれます。その来世に極楽往生できると信じることが念仏行に励む糧となります。

なぜ極楽に往生できるのか、それは、阿弥陀如来がまだ修行中の身で法蔵菩薩と呼ばれていたころ、衆生を救うために立てられた誓いにこのように書かれているからです。

もし我仏を得たらんに、十方の衆生至心に信楽して、我が国に生ぜんと欲して、乃至十念せんに、もし生ぜずんば、正覚を取らじ。(第十八願)

(現代語訳)
もし私(法蔵菩薩)がさとりを開き、仏になることができたなら、心から私のことを信じ、私の浄土に生まれ変わろうと願い、私の名前を十回となえる者は、必ず私の浄土に生まれることができる(「十回となえても極楽浄土に生まれ変われない者がいたら、私は仏にならない」が直接的な現代語訳です)。

きっとそこに行けると信じるから、そのための行いに励むことができるというわけです。

受験勉強なども同じかもしれません。模試の結果が〇点だった、あと10点上がれば△△高校の合格圏内だ、あと10点分積み上げれば△△高校に合格できる、そういう思いが勉強の励みとなるものです。しかし、残念ながら受験勉強に関しては結果が保証されているわけではありません。ほかの受験生の出来が良ければ合格基準点が上がってしまうこともあります。

しかし、極楽浄土は定員がありません。どれだけ多くの人が極楽浄土に行ったとしても、定員オーバーで振り落とされるということがありません。ありがたいですね。

そして、そこに行くために必要なことは念仏をとなえることだけです。経典を暗記するとか、何日も断食して精神集中するとか、能力や体力がないとできないことではないのです。

さあ、来世の極楽往生を信じて、お念仏をおとなえしましょう。

南無阿弥陀仏

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