2月15日は、お釈迦様が入滅された(亡くなられた)日といわれています。そこで、当山では毎年2月に本堂にはお釈迦様入滅時の様子を表した涅槃図をおまつりしています。
涅槃(ねはん)とはサンスクリット語のニルバーナを音を漢字にあてたもので、さとりの境地、苦しみが消滅した状態を意味します。
入滅することを、「涅槃に入る」とも表現しますが、これは、物理的な肉体の終わりによって身体的な苦からも脱し、いかなるものごとにも煩わされることのない寂静の境地に至ることを表しています。
法源寺に伝わる涅槃図は、弘化4年に当時の檀信徒の寄進によって収められたものです。その大きさもさることながら、鮮やかな色彩も残っており、その迫力に圧倒されます。
弘化4年といえば、西暦でいうと1847年です。ペリーが黒船に乗って浦賀沖に現れたのが1853年ですから、それよりも6年前に作られた一幅ということになります。裏には寄進した方のお名前も残されており、江戸時代末期の作という歴史的な価値だけでなく、檀信徒の気持ちが込められ、代々受け継がれてきたという「次世代への想い」という価値も感じられるものです。
さて、そうしたいわれのある涅槃図をおまつりした本堂で、本年も観音講のみなさまと涅槃会を厳修し、お釈迦様のご遺徳を偲びました。
法要後は、涅槃図の絵解きをし、頭北面西(頭を北向き、顔を西向き)にして横たわるお釈迦様の姿から、現在のご遺体を北枕にして寝かせるようになった風習がおこったこと、お釈迦様のまわりにある樹木は沙羅双樹の木が、仏教の教えの不変性と、物質の可変性(諸行無常)を示していることなどをお話ししました。
前日までの陽気が一転し、寒い日でしたが多くの方がお見えになってくださり、一緒にお勤めをすることができました。ご参加くださった皆様、ありがとうございました。
南無阿弥陀仏