当山には代々寺宝として伝わる涅槃図(ねはんず)があります。
涅槃図とは、お釈迦様が亡くなられた時の様子を描いた絵のことで、そこには今日の風習にも通じるものが多くあります。
例えば、涅槃図でお釈迦様は頭を北に顔を西に向け横たわっていますが、そのお姿から、人が亡くなると北枕にするという風習が生まれました。
法源寺に伝わる涅槃図は、弘化4年に当時の檀信徒の寄進によって収められたもので、高さは3メートルにも及ぶでしょうか。写真のとおりずいぶん大きな掛け軸です。
弘化4年といえば、西暦1847年です。ペリーが黒船に乗って浦賀沖に現れたのが1853年ですから、それよりも6年前に作られた一幅ということになります。裏には寄進した方のお名前も残されています。幕末期の涅槃図という歴史的な価値もさることながら、こうして檀信徒の想いが込められ、代々受け継がれてきたことこそが、お寺にとっては大きな宝だと感じています。
現在、涅槃図は法源寺本堂にて公開中です(2月28日まで)。2月15日(火)13時には、お釈迦様のご遺徳をしのぶ涅槃会も行われます。住職から絵解き(涅槃図の解説)もあると思いますので、ぜひお寺に足を運び、この機会に大きな涅槃図をご覧ください。
南無阿弥陀仏