おてらおやつクラブ「夏のおすそわけ」

ありがたいことに、夏のお盆の期間、お檀家さまから「仏さまに」と多くの御供物をいただきました。これらにくわえ、お寺で別に用意したとあわせて、おてらおやつクラブのHPを通じて、必要とするひとり親家庭にお届けしました。

「おてらおやつクラブ」は、お寺にお供えされるさまざまな「おそなえ」を、仏さまからの「おさがり」として頂戴し、子どもをサポートする支援団体の協力の下、さまざまな事情で困りごとを抱えるひとり親家庭へ「おすそわけ」する活動です。奈良の浄土宗のお坊さんが始めた活動ですが、現在では全国1900か寺に広がっています(詳しくは【こちら】をご覧ください)。

今から23年前、浄土宗が21世紀を迎えるにあたって、すべての人びとの幸せを願って誓った「劈頭宣言」の中には、家庭にみ仏の光を 社会に慈しみを という一文があります。

寺院として浄土宗の教えを広めるだけでなく、阿弥陀様の慈悲のみ光が多くの方に届くよう、そして慈しみの心が社会に広がるよう実践してまいります。

南無阿弥陀仏

中島地蔵尊祭礼

7月22日、中島地区の地蔵盆の祭礼が行われ、同地区の地蔵堂にて祈願法要を行いました。

中島の地蔵尊の祭礼は、篤信の檀家様によって昭和6年この地を法源寺の飛び地境内にご寄進いただいたことに端を発します。以来、90年余にわたって、この地で子供の成長を見守る、子育地蔵として信仰を集めてきました。

毎年、地蔵盆の時期には祭礼が行われ、神輿渡御や太鼓の奉納が行われます。また、地蔵堂脇にはステージが設けられ、カラオケ大会が催されるなど地域の方々にとっての楽しみとなっているようです。

今年はコロナ禍明けということで、実に4年ぶりの完全開催となりました(それまでは祭礼だけで神輿や太鼓などはありませんでした)。

きっと多くの人が待ち望んでいたことでしょう。

こうした地域行事は子供や大人が顔を合わせる機会となり、自然と地域のつながりが生まれてくる仕掛けになると思います。

中島地蔵尊の祭礼を通じて、地域の皆さんがつながるきっかけとなれば、きっと祀られているお地蔵さまも喜ばれるに違いありません。

後世まで守っていきたい風習ですね。

南無阿弥陀仏

じゃがいも収穫しました

東海地方は梅雨入りしたようですが、大雨が降ったかと思えば、真夏日に近いピカピカの晴れ日が続いたり、体調管理にも気をつかう今日この頃です。

さて、法源寺農園部では梅雨入り前の5月末にじゃがいも掘りをしました。昨年の反省を生かし、おかげさまで豊作となりました。参加者一同で分け合うだけでなく、いつも活動を見守ってくださる近隣の方にもおすそ分けし、喜んでいただきました。

翌週は、じゃがいもを栽培していたところに枝豆を植え、ミニトマトの雨よけも設置しました。もともとトマトは中南米の高地が原産地で、乾いた環境を好む野菜です。雨水が急激に根から吸収されると、実にヒビが入ってしまうので雨よけが必要なんだとか。自然を相手にすると、学ぶことがたくさんありますね。

ここ数回は、若者たちだけでなく、お檀家さん、ボランティアの方々も参加してくださり、社会参加の場としても農園部の活動が定着してきたように思います。最近は、一人で畑に来て「草とりしておきました!」と連絡をくれる若者も現れるようになりました。皆が喜ぶようにと思ってのこうした行動は、本当に嬉しいものです。

法源寺農園部の畑は、細い路地に面した場所にあります(お寺からは徒歩1分です)。車は通れませんが、地域の方が抜け道としてよく使います。地域の方々もこの路地を通るたびに声をかけて下さり、地域内での認知度も上がってきたように思います。

こうして、身体を動かす喜び(農作業)、成果を得る喜び(収穫)、他者と交流する喜び(挨拶&声掛け)を体感することは、いずれ社会に出ていく若者にとって大きな後押しになることでしょう。趣味に毛が生えた程度のわずかな農園部の活動ですが、生きづらさの解消に少しでも役立つことができたら野菜の収穫以上の大きな成果ではないかと思います。

これからも応援よろしくお願いいたします。

南無阿弥陀仏

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※本活動は、公益財団法人浄土宗ともいき財団の助成を受けています。

夏野菜のシーズンです!

GWも残りわずか。法源寺農園部をはじめてからここ3年は、この時期は夏野菜とサツマイモの植付に忙しい日々を送っています(法源寺農園部については【こちら】をご覧ください)。

大体、GWのはじめに、土を耕し、畝立をし、GWの終わりに夏野菜の苗やサツマイモのつるを植え付けるという感じです。

鍬(クワ)で耕しています
マルチを張って準備万端

今年は、耕運機の調子がイマイチで人力で耕しましたので大変でしたが、就労をめざす若者だけでなく、活動に賛同してくれたお檀家さん、ココ☆カラの活動を応援するボランティアの方も手を貸してくださり、何とか予定通り畝立を行うことができました。
みなさんのお力なくしては不可能でした。本当にありがたいかぎりです。

サツマイモは、昨年と同じ安納芋と紅はるかを植えました。畝の本数を倍にしたので、収量も増えるのではと期待しています。暑さに負けず、ちゃんと根を張ってくれるでしょうか。

夏野菜は、ミニトマトとスイカを植えました。畝の周りに防草シートを張ったので、草取りの手間が少しは軽減されるのではないかと思います。こうしてみると、ずいぶん畑っぽくなりましたね(笑)
写真奥(右側)のジャガイモも青々と茂っており、こちらも収穫が楽しみです。

農園部の活動をしていると、本田路津子さんの「一人の手」という歌がいつも頭の中に思い浮かびます。一番の歌詞は以下の通りです。

一人の小さな手 何もできないけど
それでも みんなの手と手をあわせれば
何かできる 何かできる

(一人の手/本田路津子/1971年)

一人では続けることが困難でも、仲間がいれば頑張ろうという気持ちになります。農園部の活動が3年目に入り、公益財団の助成を受けるまでになったのも、参加してくれる若者や、賛同してくださる檀信徒の方、地域の方の支えがあってこそです。

みんなと手と手を合わせて、これからも素敵な農園活動を続けていけたらと思います。

老若男女、すべての人に役割があります

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※本活動は、公益財団法人浄土宗ともいき財団の助成を受けています。

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花壇の整備

かねてより殺風景な農園を何とかしたいなぁと思っていましたが、ようやく2つ目の花壇を整備しました。

以前より植えてあった、チューリップやネモフィラはすっかり花の盛りを過ぎてしまいましたが、今回は花がより長く楽しるマリーゴールドとかすみ草を選び、見た目も楽しめるよう、配置にも工夫を凝らしてみました。

初夏のような気候の中、日差しの下での作業は汗ばむものでしたが、花壇が完成すると参加者一同、顔に笑みが浮かびました。緑一色の畑に、鮮やかな色彩が加わり、道行く人の目も楽しませてくれることと思います。

花植えの後はジャガイモの畝の雑草取り。こちらも気温の上昇とともに伸び盛りです(笑)

作業後は本堂前で一服。参加してくれた若者たちからは、今ここで働いているとか、こういうことに挑戦したいとか、春らしい報告を聞くことができました。

まもなく夏野菜のシーズンが始まります。今年は何を育てようかなとみんなで話し合い、次の活動に向けワクワクした気持ちになりました。

小さな小さな農園です。お檀家さんにはプロも多いのでお恥ずかしい限りですが、お寺にお立ち寄りの際はどうぞご覧になってください。また、活動に関心のある方はぜひご一報ください。一緒に汗をかきましょう。

南無阿弥陀仏

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法源寺農園部はその活動のユニークさが評価され、今年度から公益財団法人浄土宗ともいき財団助成事業に採択されました。この財団は、大正3年に報恩明照会として創設された浄土宗の公益財団法人で、おもに寺院の社会活動の推進、助成を行っています。
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東日本大震災から12年

いわき市内の体育館での炊き出しの様子(2011.5.2)

今年も3.11の日を迎えました。

当時、大学院生だった私(副住職)は、福島県いわき市に行き、避難所で生活する被災された方々に温かい食事を提供するために、地元浄土宗青年会と一緒に炊き出しを行いました。避難所が閉鎖された後は、仮設住宅を訪れ、サロン活動などにも参加しました。

また、住職は石巻や陸前高田を訪問し、その惨状を目の当たりにして、慰霊の行脚を重ねてきました。

あれから12年。地震や津波で亡くなられた方にとっては13回忌を迎える日です。まだ行方不明のままの方もいらっしゃいます。いまだ故郷に帰れぬ方もいます。同じ日本に生まれた者として、自分に何ができるだろうかと考えさせられることばかりです。

最近のことですが、ある新聞にこんな短歌が掲載されていました。

「死にたいな」「僕もさ」「わかる」「頑張ろな」 落書き続く 仮設のトイレ

避難所の外に設けられた仮設トイレの壁に、誰ともなく悲しい胸の内を書き、どうしようもない辛い思いを吐き出した一言。それに呼応するような共感の言葉と、一緒に乗り越えていこうという激励の言葉。

直接言葉を交わしたわけではないけど、仮設のトイレという「伝言版」を通じて、目に見えぬ連帯が生まれた様子がありありと描かれています。

苦しいのは自分だけじゃない。辛いのは自分だけじゃない。やりきれない気持ちをみんな抱えている。だからこそ一緒に生きていこう。

筆舌に尽くしがたい困難に直面した時、苦しみを理解し、支え合おうという気持ちを持つ人がいるとわかるだけで、おおいに勇気づけれられることと思います。

あの時ほど、家族や仲間同士の絆が大事だと感じたことはないでしょう。

あの時の想いを忘れずに、日々を過ごしてまいりたいと思います。

南無阿弥陀仏 合掌

ジャガイモを植えました

三寒四温の今日この頃、暖かい日があったと思えば、急に寒くなったり、体調管理に気をつかう季節ですね。

法源寺農園部では、春の訪れの前に、ジャガイモを植え付けました。

さすがに3年目ともなると手慣れたものです。あらかじめ耕しておいた畑に畝を立て、溝を切り、30cm間隔で種イモを並べていきます。あとは土をかぶせて、マルチ(黒いビニール)をかければ、一丁あがりです。

今年は西側の畑2畝にキタアカリを植えました。昨年はこちらの畝は全くダメでしたので、リベンジです!昨年の反省をふまえ、マルチをしたので地温も上がって、無事育ってくれるのではないかと期待しています。

うまくいくよう、皆さん祈っていてください!

講演のご報告「地域共生社会の実現に向けた取り組み」

講演の様子が岳南朝日に掲載されました

1月22日、富士宮市ボランティア連絡会主催の「ボランティアまつり・ふれあいトーク」にて、富士宮市・平等寺住職岩田照賢上人と一緒に副住職が講演をしてまいりました。

「地域共生社会の実現に向けた取り組み」と題した講演では、はじめに副住職から厚生労働省が掲げる地域共生社会のコンセプトや人が集う場所の重要性、地域にすでにある資源としての寺院の可能性について述べた後、岩田上人から兼務寺の来迎寺で取り組まれている介護者カフェやひきこもりの親の会、学び直しの場などの具体的な活動について紹介いただきました。

ライフスタイルや人付き合いの変化により、人と人とが支え合う地域社会は衰退の一途をたどっています。

「地域共生社会」とは、このような社会構造の変化や人々の暮らしの変化を踏まえ、制度・分野ごとの『縦割り』や「支え手」「受け手」という関係を超えて、地域住民や地域の多様な主体が参画し、人と人、人と資源が世代や分野を超えつながることで、住民一人ひとりの暮らしと生きがい、地域をともに創っていく社会を目指すものとされています。

そうはいっても、人と人、人と資源が世代や分野を超えつながる場をどう作るかという課題は簡単に答えが出せるものではありません。

しかし、すでに人が集まっている場を活用することでこの課題に対応できるのではないか、そしてその場に寺院が活用できないかというのが私の話のあらましです。

当日の聴衆は100人を超え、みなさん大変熱心に耳を傾けてくださっていました。こうした場を通じて寺院の地域貢献の取り組みへの理解が広がっていくことを期待しています。

農園部3年目の始動

法源寺では飛び地境内を活用して農園活動を行っています。

きっかけは、ひきこもりや不登校の当事者・家族を支援するNPO富士市若者相談窓口「ココ☆カラ」の方から、コロナ禍で就労体験、社会体験できる場が減っているので、何か活動できることはないかというところからでした(これまでの活動はこちらから→ )。

2021年に始まったこの農園部も今年で3年目を迎えます。
先日、種まきの前に土壌改良ということで、たい肥やもみ殻を鋤き込み、野菜が育つような土づくりをしたほか、用水路沿いに2つ目の花壇を作りました。

今年は野菜だけでなく、道行く人が目で楽しめるよう、花壇の整備にも力を入れていきたいと思います。

ヨーロッパでは、様々な人が社会参加できる場として「ケアファーム」と呼ばれる農園があるそうです。農園物の活動を通じて、ここが人と人の交流が生まれる場にしていきたいと思っています。応援よろしくお願いします!

南無阿弥陀仏

年末の応援会

12月29日(木)、法源寺会館で「年末応援会」が開催されました。

これは、青少年就労支援ネットワーク静岡の富士支部ココ☆カラさんを中心とした有志のボランティアさんによって、年末の行政の相談機関が閉まっている時期に、食べ物の提供や居場所の提供、生活相談などを行う活動です。今年で3回目となりますが、今回も法源寺会館をお使いいただきました。

当日は朝にNHKの取材が入り、お昼のニュース(静岡版)で報道されたこともあり、50人ほどの方が来場され、食事をしたり、食べ物を持ち帰ったり、休んだりされていました。

折しもこの日の静岡新聞の一面には、全国の自治体の自立相談支援機関での生活困窮相談が、今年上半期だけで17万件もあったことが記事になっていました。

長引くコロナ禍に加え、海外情勢や円安による物価高も追い打ちをかけた形となっているようです。とくに、もともと生活基盤がぜい弱な方がより影響を受けやすく、こうした官民の支援がより必要になってくることでしょう。

実際、お昼のニュースを見て会場に訪れた方も大勢いらっしゃいます。一方、ニュースを見てご寄付をお持ちくださった方もいらっしゃいました。また、お檀家様や知り合いの方から、この応援会のためにと事前に生活用品や食品をお預かりすることもありました。他者を思いやる方が多くいらっしゃること、本当にありがたいことです。

さて、大乗仏教の根幹には、智慧と慈悲の実践があります。

智慧とは単なる知識の習得ではなく、物事を先入観なくありのままに受け止め、真理を見極めること、そして慈悲とは、他者をいつくしみ、いたわることです。そして、一番大切なのは、これらを頭で理解するのではなく、実際の行動に移すことです。

私たちは弱い心を持つ凡夫です。煩悩によってあれやこれやと余計なこと考えてしまうかもしれません。

仏様のように、完全な智慧、完全な慈悲の実践は難しいかもしれませんが、それでもその理想に少しでも近づけるよう、自分が今できることを行う、これも立派な仏道修行だと思います。

そうした実践の場を寺院で提供できるならば、お寺としても非常に喜ばしいことです。

期間限定の活動ではありますが、当山の活動にご理解ご協力賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

南無阿弥陀仏

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