法源寺農園部、発足!

以前、ご紹介した飛び地境内を耕し、家庭菜園ならぬ寺庭菜園を始めました。

お手伝いいただいているのは、富士市若者相談窓口 ココ☆カラに通う若者たち。一緒に開墾した後、この畑を「青空」と名づけました。“Social Farming”とは、就労のための農業ではなく、ケアや交流の場としての農業を意味します。生きづらさを抱えた人も、土いじりをしたい人も、美味しい野菜を食べたい人も、誰かと話したい人も、いろいろな人が集える場になればいいなと思って、「青空」の前に付けました。

荒地を開墾し(文字通り!)、畝を三本作り、そのうちの2つにはジャガイモを植え付けました。GW明けぐらいにもう一本の畝にサツマイモを植えようと思っています。現在はジャガイモの成長を楽しみながら、日々雑草との戦いです。

これからも、ココ☆カラに通う就労を目指す若者たちと一緒に試行錯誤しながら野菜を育てたいと思います。

農業指導、お手伝い、見学、大歓迎です!お寺にお参りの際にぜひ様子をのぞいてみてください。そして、その時もし作業している人がいたら「ご苦労さま」「精が出るね」などお声掛けいただけたらありがたく思います。

富士宮市生活支援体制整備事業セミナー

3月21日(日)、富士宮市生活支援体制整備事業セミナー(主催:富士宮市社会福祉協議会)で「寺院からはじまる共生の地域づくり~宗派、檀家の垣根を超えたつながりを求めて~」という演題で講演をいたしました。

私の専門は宗教社会学ですが、最近では終末期ケアやた高齢者ケアにおける僧侶(宗教者)の役割や、地域包括ケアシステムにおける寺院の役割などについて研究しておりまして、このようなお話をいただいた次第です。

当日はあいにくの天気でしたが、50名を超える富士宮市各地域の地域づくりのリーダーにお集まりいただきました。

私の話はいたって簡単です。

現在、厚生労働省は「住み慣れた地域で、自分らしい人生をまっとうする」をキーワードに、地域包括ケアシステムを推進していますが、その実効性を高めるためには、地域社会における支え合い、助け合いの場(=ケアの場)をどれだけ作れるかがポイントです。

しかし、少子高齢化、過疎化等で地域社会の力自体が衰退する中、ケアのための新たな組織を立ち上げるのはなかなか難しいこと。そうであるなら、すでにある様々な組織にケアの視点を付与したらどうかというものです。

生活の困りごとなら支援機関を利用すればいいのでは、と思うかもしれません。でも、困っていても自ら専門支援機関を訪れる人はそう多くありません。自立を求められる現代社会においては、「助けて」、「困った」をいうことがはばかられます。また、自分の「困った」が支援制度のどの枠組みに当てはまるのかわからない複雑化した「困った」状態も少なくありません。最近よく耳にするようになった8050問題もその典型例です。

様々な生活課題や生きづらさを抱えた人が少しでも楽になれるよう地域社会には、「気づく場」、「気づく時」、「気づく人」がいる「集いの場」が必要です。そして、地域にはすでに「集いの場」が遍在しています。町内会、PTA、スポーツクラブ、趣味の会など、地縁によって参加するものから、自分の興味関心によって参加するものまで様々です。

今では、お寺といえば葬儀や法事などで行く場所というイメージが強いかもしれません。しかし、その昔、寺院は寺子屋と呼ばれ、学習塾やコミュニティセンターの役割を果たしていました(当山でも先代住職の時は書道教室をやっていたようです)。現代でもお寺では地縁や血縁のつながりをもとにした人が集う機会があります。ですので寺院もこの「集いの場」に加えていただき、互いを気にかけ、支え合う、そんな場所にしていけたらなぁと思っています。

浄土宗では共生(ともいき)といって、現世空間だけでなく、すべてのいのちの連綿とした繫がりを含め大切にすることをスローガンに掲げています。まさに、地域社会における共生にも通じる概念です。生きづらさを和らげ、ともに支え合う場づくりの一端を寺院が担うことができたら、ありがたいことです。

お寺の草刈り with ココ☆カラ

昨日、富士市若者相談窓口「ココ☆カラ」に通う若者たちと、飛び地境内地の草取りをしました。

「ココ☆カラ」は、NPO法人青少年就労支援ネットワーク静岡が運営する団体で、ひきこもりや不登校などの生きづらさを抱える若者やそのご家族の支援を行っています。

昨年からスタッフの方とつながり、若者たちに境内地の草刈りに来ていただいたり、年末お困りごと相談会の場所として会館を貸し出したりと、寺院として若者支援のお手伝いをはじめています。

実はこの草刈は昨年12月に引き続いて2回目でして、おかげでずいぶんきれいになりました。

ここは以前畑だったのですが、お手伝いしてくれた若者たちと「また耕して何か育てられたらいいね」と次なる構想も膨らんできました。

今後の展開が楽しみです!

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