東日本大震災から10年を迎えて

まもなく、東日本大震災から10年がたちます。

2011年3月11日午後2時46分、大きな揺れが日本列島を襲いました。地震によって起こされた大津波では岩手、宮城、福島の東北三県をはじめとした東日本が大きな被害を受けました。

私は、4月には福島県いわき市へ入り、地元の浄土宗青年会とともに、避難所での炊き出しなどを行いました。住職もその後、被災した寺院を見舞いに東北を訪れています。

私の勤める大正大学では、震災後より宮城県南三陸町とご縁を持ち、10年にわたって学生を派遣し、復旧復興活動だけでなく、南三陸町の魅力を発信する教育プログラムなども展開させてきました。

震災から10年を迎えるにあたって、学生たちから「コロナ禍で直接訪問することは難しいけど、何かできることはないだろうか」と相談を受け、2月27日にオンラインでの追悼法要「復興祈11-21」を行うことにしました。

YouTubeでのライブ配信ということで、準備にはかなり時間を割きましたが、その甲斐あって多くの方に視聴いただきました。

配信中には、南三陸と中継を結び、語り部の方に南三陸の現在の様子をご紹介いただいたり、南三陸にお住まいの方の復興ストーリーのインタビューをオンエアしたりしたのがよかったのかもしれません。

午後2時46分には、大正大学と南三陸町を繋ぎオンライン法要をお届けしました(大正大学は天台宗、真言宗豊山派、真言宗智山派、浄土宗、時宗による仏教系総合大学ですので、般若心経をお唱えしました。お導師は天台宗の先生です)。

法要の時間が一番視聴者が多かったことも印象的でした。南三陸町だけではなく、被災地へ思いを寄せる人がきっと画面の向こうから手を合わせてくださったことでしょう。

しかし、悲しいかな、人は忘れる生き物です。記憶も風化してしまいます。

こうやって折に触れ、あの日のことを思い出し、亡くなった人を悼み、災害への教訓を刻む機会が必要に思います。

3月11日、みなさんはどう過ごされますか?

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