【3月の言葉】春のさえずり 身を軽く

いそがしい時には視野が狭くなりがち。そんなときこそ周りに意識を向けてみて。春の足音はもうすぐそこに。きっと気分も軽くなるはずです。
Let’s spring birdsong bring lightness to body and soul.
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浄土宗月訓カレンダーの3月の言葉。
字は大本山善導寺第68世法主日下部匡信台下の揮ごうです。
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ついこの前、新年を迎えたと思ったら、もう3月です。
一月は行ってしまう、二月は逃げてしまう、三月は去ってしまうといいますが、月日は経つのは早いもの。とくに年始めや年度末など何かと用事が立て込んでいる季節はなおさらです。

「忙しい」という字は、心が亡くなると書きます。忙しい時はつい自分の用事だけ、自分のことだけに集中しがちで、周囲を見渡す心の余裕がなくなりがちです。そんな時は自分の呼吸に集中してゆっくり10回深呼吸をしてみてください。

仏教には数息観(すそくかん)という瞑想法があります。自分の呼吸に意識を向け、呼吸を数えるというものですが、息を吸いゆっくり吐き出すことを1とし、10まで呼吸を数えます。するとどうでしょう、心の乱れが収まり、五感が研ぎ澄まされることに気づきます。ゆっくり呼吸をする間に、聞き逃していた音、風が肌に触れる感覚、花の香りなど、自分が感じ逃していたものが体内に取り込まれていく感覚を覚えます。

瞑想は難しいという人は、十回のお念仏でもよいでしょう。ゆっくり、はっきり「なむあみだぶ」を称えるだけで、忙しさに流されていた心が立ち止まり、気持ちの落ち着きを取り戻すことができます。

現代人には、目まぐるしく変わる社会の変化、その激流の中で立ち止まるという瞬間が必要です。流れる景色が流れていることに気づくのは自分が立ち止まるからなのです。一休さんも言ってます「あわてない、あわてない。一休み、一休み」と。

間もなく二十四節気の「啓蟄」を迎えます(今年は3月5日です)。「啓」は「ひらく」、「蟄」は「土の中に閉じこもる」を意味します。土の中で冬ごもりをしていた虫が暖かさに誘われて土から出てくる頃で、寒さが和らぎ、春の訪れを感じる時期です。

しかし、心に余裕がなければ、そうした季節の変化にも気づくことはできません。

春のさえずり 身を軽く

春はそこまでやってきています。一息ついて、心を落ち着け、周りに目を向けてみましょう。どんな景色が、音が、においが、感じられますか?

心に余裕をもって日々生活したいものですね。

南無阿弥陀仏

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