私たちには、向かうべき浄土があり、
そこへ往くためのお念仏があります。
達成に向かい、日々お念仏をおとなえしましょう。
Constantly chant the name of Amida Buddha to attain birth the Pure Land.
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浄土宗月訓カレンダーの10月の言葉。
字は大本山清浄華院第83世法主飯田実雄台下の揮ごうです。
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暑さ寒さも彼岸までといいますが、秋彼岸を過ぎてから暑さがぶり返してきました。
体調管理にも一層気を付けなければなりません。
車で出かける時、目的地をカーナビに入れる方も多いでしょう。遠方の商業施設や観光地であれば初めての道でも間違いなくたどり着くことができますからね。
でも、目的地を設定するだけでは、目的地にはたどり着けません。当たり前のことですが、そこまで運転しなければなりません。私たち自身が、ハンドルを握り、アクセルを踏んで目的地へ向かう必要があります(最近では自動運転技術の研究が進んでいるようですが、実用化されるまでにはもう少し時間がかかりそうです)。
目的地を目標と言い換えた場合、多くの人は目標を立てることをしますが、その後、目標に向かって実践できる人はどれだけいるでしょうか。
前月の言葉は「継続とはあきらめないこと」でした。
継続のポイントは習慣化であるという話をしましたが、習慣化するためには、目標を設定することが大切です。ダイエットや資格取得の勉強も、なぜダイエットするのか(健康のため?着たい服がある?)、なぜ資格取得をめざすのか(独立?昇進?)、目標がはっきりしていれば「継続」の大きな原動力になることでしょう。
行くべきところが決まれば、それに向かって必要なことをするだけです。
それは今生においても、来世においても同じこと。
浄土宗では、現世に別れを告げた後、極楽浄土に向かうことこそが最良の道であると説きます。そこでは大切な人と再会し、また阿弥陀様の下で仏道修行に打ち込み、さとりを開くことが可能になるからです。
では、極楽浄土という目的地に向かってどう進めばよいのでしょうか?
これもまた経典に説かれています。
『無量寿経』には、阿弥陀如来がまだ修行中だったころ、さとりを開くにあたって48の誓いを立てられたことが記されています。その中の18番目、第十八願には、「もし私が仏になるにあたって、生きとし生けるものが心の底から極楽浄土に生まれたいと願い、阿弥陀仏の名を声に出してとなえたにもかかわらず、極楽浄土に生まれることができないなら、私は仏にならない」と示されています。
つまり、「ナムアミダブツ」と声に出してとなえれば、必ず極楽行くことができるというのです。
なんて簡単なのでしょう!
難しいことは一つもありません。ただ声に出してとなえればよいのですから。精神集中できる静かな環境にいなくても、難しい経典を理解していなくても、いつでも、どこでも、誰にでも開かれた実践ですので、その簡単さゆえ、鎌倉時代以降、念仏の教えは燎原の火のごとく世に広まることとなりました。
ちなみに、カラオケや芸事で得意の曲目、演目を「十八番」といいますが、この十八番は阿弥陀仏の「十八願」が語源と言われています。
的が決まれば あとは射るだけ
目的地は決まりました。さぁあとはそのために必要なことをするだけです。
来世の極楽往生のためには念仏行。
今生の目標のためには何をしますか?
満を持して放たれた矢は、的に向かって一直線に飛んでいくことでしょう。
自らの的を射抜くために、日々実践してまいりましょう。
南無阿弥陀仏