世代間継承の大切さ

お盆は何の期間?

今年のお盆ももうすぐ終わろうとしています。ご先祖様はみなさまとの久しぶりの再会を楽しみ、両手にいっぱいのお土産を持ち、お浄土へと帰られていくことでしょう。

来るときは足の速い馬(キュウリ)を、帰りはゆっくり帰っていただくために牛(ナス)を用意します

さて、先日の朝のニュース番組で、お盆とは何をする期間か知らないと答えた若者が43.5%もいることが報じられていました。ひょっとしたら旅行に行く期間と思ってるのかもしれません。ニュースキャスターは、これはジェネレーションギャップでは済まされない、たとえ若者世代にうるさいと思われようと、伝えていくべきものはちゃんと伝えるべきだ、というようなことを話していました。

お盆とは、極楽浄土にいるご先祖さまが娑婆に帰って来る期間といわれています。
明治6年(1873年)に太陽暦が導入されたことを契機として、7月に行う新暦の盆、旧暦に則して8月に行う旧暦の盆と、地域により異なる時期に行われるようになりました。盆に行われる行事は地方によって様々な風習がありますが、先祖の霊を迎え、まつり、送るという形を基本としています。

盆月の1日は「釜の蓋が開く日」といわれ、あの世から先祖を含めたあらゆる精霊がこの世に向かって出発する日とされています。7日は盆に向けての準備の日であり、この日に墓掃除や盆道つくり(家までの道をきれいにすること)などを行います。13日には精霊を迎えるための盆棚をつくる。盆棚の飾りつけは多様であるが、キュウリとナスでつくった馬と牛、刻んだキュウリ・ナス・洗米を混ぜたミズノコなどを用意し、盆棚を飾り付けます。

13日の夕方には、墓、寺、家の前などで迎え火を焚き、精霊を迎えます。16日に送り火を焚き精霊を送るまでの間は、それぞれの家でまつられることになりますが、棚経もこれに合わせて行うことになります(当山では8日から14日にかけて行います)。ちなみに、京都の大文字焼きや長崎の精霊流しも祖霊を極楽浄土へ送る「送り火」の一種です。

お盆の風習は地域それぞれですが、地域ごとの残るその風習を次世代に伝えていくことは重要なことです。

法源寺の盂蘭盆会

法源寺では13日の夜に、新しく盆を迎える故人の供養も兼ねた盂蘭盆会を厳修しています。コロナ禍のため今年も新盆家のみ本堂にお上がりいただき、お勤めしようと思っておりましたが、当日は朝からあいにくの悪天候。台風上陸の予報もあり、お集まりいただくのは危険なことから、YouTubeで限定配信という形で皆様にはご参加いただきました(実際夕方には雨がやんでいましたのでお越しになった方もいました)。

YouTubeのライブ配信の様子。字幕を入れてわかりやすくしました。

後日、YouTubeをご覧になった方から「家族みんなでお参りできた」「わかりやすくてよかった」というお声もいただきました。きっと、同じ画面を子や孫と一緒に観て、手を合わせることで、先祖を供養する心を次世代へと伝えることができたのではないでしょうか。

お寺としても、様々なツールを使いながら、仏教のこと、浄土宗の教えのこと、仏事のことなどについて、みなさまに伝えていきたいと思います。

南無阿弥陀仏

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