今年は例年より早く梅雨入りを迎えました。
今年は、例年より早く、東海地方は梅雨入りを迎えました。ただ、じめじめと降り続けることはなく、むしろまだ本格的な梅雨入りとは言えない天気が続いています。傘の出番はこれからかもしれません。
さて、当山の三門前にはそんな傘にまつわる言葉を掲示してあります。
忘恩 借りた傘 雨が止んだら 邪魔になる
出かけた先で雨が降り出したら困りますよね。そんなとき、訪問先で親切に傘を貸してくださることもあります。「あぁ助かった、濡れなくてすむ」と思っていても、しばらくしたら雨が止むことこともあります。
借りた傘ですので、なくすわけにはいきません。あれほどありがたかった傘は、今度は手をふさぐ「荷物」に感じられるでしょう。「こんなことなら借りてこなければよかった」「こんなにすぐ止むなら雨宿りしていればよかった」と、さきほどの感謝の気持ちが後悔にかわるかもしれません。
私たちの人生はどうでしょう。
困った時、苦しい時、誰かの助けや存在が自分にとっての大きな支えになることがあります。
しかし、楽しい時、うまくいっている時はその恩を忘れがちです。時にはうっとうしく思うこともあるかもしれません。身近な人であればなおさらです。
また、人生の中での苦しみや悲しみに、仏教の教えが癒しをもたらすこともあるでしょう。
しかし、順風満帆な人生を歩んでいるときは、目に見えないものを心の拠り所と感じることはないかもしれません。
人生の雨の日に支えになったものを、晴れの日にも忘れずにいたいものです。
南無阿弥陀仏