
わずかな光の下でも植物が少しずつ育つように、
日々の小さな出来事も自分の糧としていくことが大切です。
A flower will bloom even with the faintest of light.
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浄土宗月訓カレンダーの2月の言葉。
字は大本山増上寺第89世法主小澤憲珠台下の揮ごうです。
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みなさんは「因縁」という言葉を聞いたことがありますか。実は「因縁」は仏教の言葉なのですが、因と縁はそれぞれ違う意味があります。
因とは直接の原因となるもの、それに対して縁とは間接的な条件のことです。
花で例えるなら因は種です。種がなければどんな植物も芽を出しません。それに対して、縁は土や水、日光など、芽を吹かせ、葉を茂らせるための様々な条件のことを指します。種がなければそもそも芽が出ませんが、種さえあれば花が咲くかと言ったら決してそんなことはありません。因と縁があわさって、初めて花が咲くのです。
このことを仏教では因縁生起(いんねんしょうき)といい、世の中のありとあらゆるものはこの因と縁によって生じていると説きます。
もちろん私たちもです。
因とは、この世に生を授けてくれた両親のことでしょう。そして縁とは、家族や友人、恩師など、今の自分を形づくるのに欠かせない人たちのことですね。場合によっては、「あの時のあの経験が」とか、「あの人のあの言葉が」とか、過去に体験したことが今の自分に大きな影響を与えているという人もいるかもしれません。まさにこれも縁といってよいでしょう。
今年の月訓カレンダーの2月の言葉は、「ほのかな光で花は開く」です。
縁は、出会った直後、体験した直後は何とも思わなくても、後になって心にずしりと響いてくるものもあります。今は関係ないと思っていることでも、後から振り返れば「あれがターニングポイントだったな」と思うことも少なくありません。
きっと、日々の小さな出来事も、私たちを形づくる縁となっていくことでしょう。
そして、私たちもまた誰かの縁になることでしょう。
私たちが縁によって花を開かせるように、私たちもまた誰かの花を開かせる縁になるに違いありません。
世の中に美しい花がたくさん咲くよう、縁を紡いでゆきたいものですね。
南無阿弥陀仏