お不動さん出開帳

この日限定の特別御朱印

3月5日、川崎市等覚院様から不動明王を勧請し、「お不動さん出開帳」を開催いたしました。

等覚院様は天台宗のお寺ですが、副住職の中島光信師が当山副住職と大学院時代の同級生だったご縁によって、このたび「出開帳」の運びとなりました。

聞けば等覚院様ではこの厨子に入ったお不動さんを地域の方々が順にお祀りし、近隣の方々とお参りするという、「不動尊御巡行」の信仰があるそうです。記録を紐解けば、江戸時代からこの御巡行が行われていたそうで、以前は渋谷の方までお出かけになったこともあるのだとか。このたび、初めて箱根の関所を越え、富士にやってきました。

当日は、天台宗のお経や浄土宗のお経をお唱えしたほか、不動明王のご利益、天台宗の教え、浄土宗の念仏行、阿弥陀様とお不動さんの違いなど対話形式で様々なお話をお聞きすることができました。ご参加された皆様にとっても、学びの多い一日になったと思います。

コロナ禍で遠出がはばかられる時代だからこそ、こうして来て下さる仏様がいて、また新しいご縁が結べるのはありがたいことですね。

ちなみにお不動さんは左手に羂索(けんじゃく)という縄を、右手に倶利伽羅剣(くりからけん)と呼ばれる剣を持っています。この縄で私たちの心の煩悩を引きずり出し、剣で断ち切り、さらに後背の火焔で焼き尽くしてしまうとのこと。迷いや怠けを取り除き、頑張るよう背中を押してくれる仏さまだということです。

ちなみに、阿弥陀様は頑張れない衆生も救ってくださる仏様です(笑)こうして私たちの気持ちや機根(能力)に応じて様々な仏様がいらっしゃって下さるのはありがたいことです。

南無阿弥陀仏

法源寺農園部、2年目始動!!

連日の寒さで億劫になっていましたが、ようやく重い腰をあげて畑を耕しました。昨年から始めた飛び地境内を活用した法源寺農園部もいよいよ2年目です。(昨年の活動はこちらから→農園部の発足ジャガイモの収穫)。

この日も、富士市若者相談窓口「ココ☆カラ」に通う若者たちに手伝ってもらいました。「ココ☆カラ」は、NPO法人青少年就労支援ネットワーク静岡が運営する団体で、ひきこもりや不登校などの生きづらさを抱える若者やそのご家族の支援を行っています。

昨年は、ジャガイモや枝豆、キュウリ、サツマイモなど、初心者にしては上出来ではないかと思えるほどの収穫を楽しめました(写真参照)。


野菜がちゃんと育つためには、根がしっかり張らなければいけません。根が張るためには、土をしっかり耕して、土を豊かにしておく必要があります。というわけで、今年もいっぱい育つよう、まずは土づくりです。

なんと、今年は、農家の檀家さんから耕運機もお借りしました!
ちょっと本格的になってきましたので、つい欲張って畑を広げてしまいました(笑)これが吉と出るか凶と出るか…。合間の草取りが大変になるかもしれませんが、今年も若者たちと一緒に野菜を育てていきたいと思います。

畑仕事はみんなで力を合わせてする作業があったり、一人で黙々とする作業があったり、参加する人の得意不得意に合わせて役割や居場所がある素敵な場です。多くの方に訪れていただきたいと思います。

涅槃図公開中(2月中のみ)

当山には代々寺宝として伝わる涅槃図(ねはんず)があります。

涅槃図とは、お釈迦様が亡くなられた時の様子を描いた絵のことで、そこには今日の風習にも通じるものが多くあります。
例えば、涅槃図でお釈迦様は頭を北に顔を西に向け横たわっていますが、そのお姿から、人が亡くなると北枕にするという風習が生まれました。

法源寺に伝わる涅槃図は、弘化4年に当時の檀信徒の寄進によって収められたもので、高さは3メートルにも及ぶでしょうか。写真のとおりずいぶん大きな掛け軸です。
弘化4年といえば、西暦1847年です。ペリーが黒船に乗って浦賀沖に現れたのが1853年ですから、それよりも6年前に作られた一幅ということになります。裏には寄進した方のお名前も残されています。幕末期の涅槃図という歴史的な価値もさることながら、こうして檀信徒の想いが込められ、代々受け継がれてきたことこそが、お寺にとっては大きな宝だと感じています。

現在、涅槃図は法源寺本堂にて公開中です(2月28日まで)。2月15日(火)13時には、お釈迦様のご遺徳をしのぶ涅槃会も行われます。住職から絵解き(涅槃図の解説)もあると思いますので、ぜひお寺に足を運び、この機会に大きな涅槃図をご覧ください。

南無阿弥陀仏

お不動さんがやって来る!

みなさんは「出開帳」(でがいちょう)という言葉を耳にしたことはありますか?

出開帳とは、仏教寺院で厨子等に収められている仏像を他の土地に出張し、拝観できるようお祀りすることで、江戸時代には、成田・新勝寺の不動明王、嵯峨・清凉寺の釈迦如来、信州・善光寺の阿弥陀如来などが江戸で人気を博したといわれています。

さて、このたびご縁をいただき、関東三十六不動霊場第六番札所である神奈川県川崎市の天台宗・等覚院様から、お不動さん(不動明王)をお招きすることとなりました。

等覚院様では、毎年四月、五月に、厨子に入った不動明王像を、地域住民で持ちまわる風習があります。お宿(会場)と世話人(受け入れ人)を記した等覚院所蔵の『不動明王御巡行記』には、江戸時代の巡行の記録も残っています。世話人としてお不動さんを受けた住民は、自宅に安置し、その間地域の人々が、宿となった方の家へお参りに来ることで、多くの方が仏縁を結ぶことができるというものです。
過去の記録には、渋谷の方までお出かけされたことが記されていますが、今回、お不動さんは遠く名古屋まで巡行されるとのこと。なんと、箱根の関所を越えるのは初めてのようです。

その巡行にあたって法源寺にもお立ち寄りいただき、檀信徒や地域の皆様にぜひご覧いただこうと「お不動さん出開帳」というイベントを企画いたしました。

等覚院様は天台宗のご寺院です。法然上人は浄土宗を開かれる前に、比叡山で天台教学を学びました。実は、鎌倉仏教と呼ばれる宗派の多くの祖師達は比叡山で学んでいます。まさに日本仏教の母なる山といってよいでしょう。天台宗の教えについてもお話が伺えるかもしれません。なお、当日はこの日だけの特別御朱印(二枚一組)も用意いたしますので、ぜひご縁を結びに足をお運びください。

イベント詳細は以下の通りです(新型コロナの感染状況によって中止となることがあります)。

お不動さん出開帳

令和4年3月5日(土)14:00-16:00

参加無料(どなたでもご自由にお参りください)

< タイムスケジュール >

13:30 受付        
14:00 ご挨拶・天台宗のお経
14:20 不動明王の解説   
15:00 自由参拝・御朱印頒布
15:45 浄土宗のお経・ご挨拶
16:00 閉会    
    

※御朱印を希望される方は千円のご志納をお願いいたします。

お不動さんは、除災招福・病気平癒・疫病退散・身体健全といったご利益があります。大難を小難に、小難を無難に、みなさまの厄をきっとお祓いくださることでしょう。コロナ禍で遠出することが難しい中、仏様の方からお越しくださいますので、ぜひともこの機会にご縁を結んでいただけましたら幸いです。

人の世は…

一昨年から私たちの生活は新型コロナウイルスに翻弄されています。
ワクチンが接種されるようになって、いくぶん収束するかと思ったら、今度はオミクロン株。重症化率は低いものの感染力は強く、あっという間に市井に広がってしまいました。
静岡県内でもあれよあれよという間に1000人を超える感染者数を記録しています。

あぁ、もう少しで「日常」が戻ったのに・・・

友人と集まって酒を酌み交わすことができたのに・・・

家族と一緒に遠くへ出かけることができたのに・・・

期待が裏切られたときほど人は落胆するものです。
でも、あせらず、あわてず、あきらめずに日々を送りましょう。
「こうあって欲しい」「こうありたい」という思いは、時として執着(しゅうじゃく)につながります。お釈迦様はこの執着こそが苦の原因なんだとおっしゃいます。

思った通りに行かないのが人の世です。
いずれ来る春に備えて、今はゆっくり足元を固める時期なのかもしれません。

「あわてない、あわてない、ひとやすみ、ひとやすみ」

一休さんも言っていますよ(笑)

おかげさまの心で

今年も残すところあとわずか。やり残したことはありませんか?

年末はお盆に次いで多くの方がお墓参りに訪れます。帰省とも重なるからでしょうか。一年の終わりを迎えるにあたって、先祖が眠るお墓を掃除し、手を合わせる方が多くいらっしゃいます。

今年もコロナに翻弄された一年でしたが、その中で少しずつできることも増えてきました。
当山でも、彼岸お盆、さらには十夜法要をオンラインで配信したり、秋にはおてつぎ信行奉仕団として京都・知恩院を皆さんと一緒に参拝したり、新たな挑戦や、活動の再開の目途が立ちつつある一年となりました。また地域活動としては、ひきこもりの若者を支援するNPO法人青少年就労支援ネットワーク静岡さんとつながり、法源寺農園部の活動が始まったり、ダンスワークショップを行ったりと、寺院としての可能性も広がったように思います。

それもこれも陰日向に支えて下さる、檀信徒の皆様、地域の皆様あってのことでしょう。あらためて御礼申し上げます。

さて、仏教、とくに浄土教では「他力」の教えを説きます。これは自分の力だけでさとりを得ることができない私たちは、仏の力によって極楽に往生し、そこでさとりをひらくことができるというものです。この仏の力を他力といいます。ですが、一般的には「他人の力」「他人まかせ」といいような意味合いで使われることも多いですね。

いつだったか、仏様の力についてこんなお話を読んだことがあります。

仏様は荷車を後ろから押してくれる、そんな見えない力をくださるものなんだ

荷車は人が引っ張って前に進むものです。平坦な道はいいですが、上り坂は大変です。そんな時、後ろから押してくれる人がいたらどんなに助かることでしょう。でも、後ろから押す人は荷車を引く人からは見えません。ひょっとしたら自分自身の力でその坂を上ったと思うかもしれません。長い道のりを一人の力で歩き通したと思うかもしれません。

これと同じで私たちが今日ここまで歩いてきた道のりは、見えない、意識もしなかった誰かの助けによって歩いてこれた道のりなのかもしれません。自力でやり遂げたと思っていることの陰に他力のはたらきがあるかもしれません。だからこそ、見えないものにこそ感謝の気持ちを振り向け、おかげさまの心を持ちたいものです。

感謝の気持ちはカタチにしましょう。亡くなられた方には、花を手向け、手を合わせてください。今生きている人には、「ありがとう」と言葉にして伝えましょう。

今年もあとわずかですがまだカタチにする時間は残っています。一年を無事過ごせた喜びと感謝の気持ちを備えて、よいお年をお迎えください。

南無阿弥陀仏

お墓掃除

12月10日、観音講にお参り下さる皆様にお手伝いいただきお墓掃除をいたしました。

お寺にお参りに来る方々に「いつもお墓がきれいですね」とお褒めの言葉をいただきますが、実はこういった陰で支えてくださる力によって境内の景観は保たれているのです。

お寺は多くの人の支えによって成り立っていますが、常にその「支え」が目に見えるところにあるとは限りません。

こうして、見えないところで支えて下さる方々の尊い働きにこそ、手を合わせたいものです。

お手伝いくださった皆様、ありがとうございました!

おてつぎ信行奉仕団

11月27日~28日、住職、副住職、檀信徒あわせて21名で、おてつぎ信行奉仕団へ行って参りました。法源寺としては、昭和44年(1 9 6 9)3月に、第1回の奉仕団をはじめてから、今回で22回目の祖山参拝となります。コロナウイルスの感染状況も落ち着いてきていましたが、バスは2席1名での利用とし、参加者の受付も2回のワクチン接種を終えた方のみとさせていただきました。

おてつぎ信行奉仕団とは、簡単に言うと、京都の総本山・知恩院で、お念仏の称え方や礼拝の仕方などを学ぶとともに、作務(清掃活動)を行います。お勤めでは、普段入ることのできない、大方丈や国宝・御影堂の内陣などでお参りをすることができます。こうした知恩院での仏道修行を通じて、日頃の生活や自分自身を見つめなおす機会をいただき、念仏の信仰を深めるというものです。

知恩院到着後、結団式、御影堂参拝、別時念仏を勤めました。御影堂は、昨年、屋根瓦の全面葺き替え等の修繕が終わったばかりで、堂内のしつらえも新しく、晴れやかな気持ちでお参りさせていただきました。

昼食後、礼拝、法話、清掃活動と修行は進みます。晴れていれば外で落ち葉掃きですが、この日は降ったり止んだりの不安定な天気でしたので、御影堂の回廊を拭き掃除しました(バケツの水が冷たかったです)。国宝の建物を掃除する機会はめったにありませんので、これも貴重な体験です。

その後、宿坊であるホテル和順会館に入り、講堂にて法話を聴き、夕食となりました。
その後は自由時間となりましたが、コロナのこともありあまり遠出はせず、みなさん三門や御影堂のライトアップを楽しんでお部屋に戻られたようです。

翌日は5:20に起床し、御影堂での朝のお勤めに参加。別回向を申し込みされた方々の縁ある人々の戒名を読み上げていただき、御供養いたしました。その後、浄土宗の開祖・法然上人の遺骨が納められている御廟を参拝。澄んだ空気の中で称えるお念仏はまた格別です。紅葉も鮮やかで、清々しい朝を迎えることができました。

和順会館に戻り、朝食をとった後は、解団式です。毎回、信行奉仕団は2日目の朝に終わりますが、そのまま帰るのではなく、京都や京都近郊の観光地に寄ってから帰るのが通例です。知恩院を後して、今回は彦根城を訪れました。日本には国宝のお城(天守閣)が5つありますが、その一つが彦根城です(そのほかは、松江城、姫路城、犬山城、松本城)。昨日とは違って雲一つない快晴の中、玄宮園からの天守閣の眺めは格別でした。

コロナでなかなか遠出ができない昨今、ご参加いただいた皆様には大変ありがたく思います。
感染症対策でご不便をおかけしたこともあるかと思います。そのような中でもお参り下さいましたこと、改めて御礼申し上げます。

今回のおてつぎ信行奉仕団には、数を重ねて参加された方もいますが、新しくご家族を亡くされその供養のためにと、また、以前参加されていた家族の思いを受け継いでと、新たなご縁でご参加いただいた方もいらっしゃいました。こうして、ともに総本山知恩院へお参りさせていただくことで、お念仏という心の拠り所ができるだけでなく、「同行の仲間」ができることも嬉しいことです。

ぜひみなさま、次回のおてつぎ信行奉仕団にご参加ください。

観音講を行いました

11月17日に観音講をいたしました。コロナの感染者数は減ってはいるものの、いつ拡大するかはわかりません。マスクをつけながらの読経となりました。

法源寺には、本尊・阿弥陀如来のほかに、千手観音菩薩が安置されています。
実は江戸時代、富士・富士宮地区にまたがって富士横道観音霊場があり、霊場巡りが行われていました。現在は廃寺になってしまった霊場も多く、霊場巡り自体は行われておりませんが、法源寺はこの第二十六番札所にもなっており、その名残をとどめるものとして毎月17日に観音講を行っています。

「音を観る」と書いて「観音」と書きます。人々の苦しみや悲しみの声を観て、救済に現れるのが観音様です。千手観音はその一つ一つの掌に目があると言われています。それだけ多くの世界の苦しみを観て、救いの手を差し伸べてきた仏様なのです。

当山では毎月17日に観音講を行っております(8月、1月を除く)。

ぜひ一度お参りに来てみませんか。

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