年末の大掃除

今年も例年のごとく、住職が外部指導員を勤める富士高剣道部の生徒さんにお手伝いいただき、お寺の大掃除を行いました。

本堂、位牌堂、書院(客殿)、枯山水、会館と掃除する箇所はたくさんありますが、大勢の若い力のおかげであっという間に綺麗になりました。

これで無事に新年を迎えることができます。

お手伝いくださった生徒さん、ありがとうございました。

さて、年末の大掃除ですので、普段なかなか掃除しないところも綺麗にしました。

その代表格が香炉(こうろ)です。別名「線香立て」とも言いますが、ここにお線香を立てると、灰の下に埋まった分は燃え残ってしまいます。そのままにしておくと、燃え残りの線香が灰の中でひしめき合い、やがて線香を立てることができなくなってしまいます。

そこで、香炉の中の灰をすくいザルで漉します(左)。すると、灰の中にある線香の燃え残りが出てきます(中央)。下に落ちた灰はきれいな灰です(右)。この作業を繰り返し、灰を掃除していきます。

最後、きれいになった灰だけをまた香炉に戻し、香炉を拭き上げて終わりです。
単純な作業ですが、灰はすぐ舞ってしまうので、香炉から出すとき、香炉に戻すときも丁寧にしなければなりません。もちろんくしゃみは厳禁です(笑)

ちょっと神経を使いますが、掃除が終わるとこの通り。清々しい気持ちになれます。

ぜひみなさんもご自宅の香炉のお掃除をしてみてください。香炉がきれいになると、きっとお線香を立てたくなるはず。お線香を立てるということは自然とお参りする機会が増えるということです。

そうすれば、お念仏がよりいっそう身近になることでしょう。お念仏をとなえれば心も洗われ、きれいになるはずです。どうぞ清らかな心で新たな一年を迎えましょう。

南無阿弥陀仏

博物館への掛軸の貸出

ただいま、富士山かぐや姫ミュージアム(富士市伝法 66-2)では、企画展「『河東』をめぐる戦国時代」が開催されています(会期は令和5年2月26日まで)。

「河東」とは、富士川から黄瀬川までの一帯のことを指す名称で、戦国時代に武田家、今川家、北条家の三国が隣接していたことから、しばしば戦の場ともなりました。いずれも歴史に名をとどろかせる大名たちですので、その軍事的境界線として緊迫した地帯だったことと思います。この企画展は、今川・武田・北条に徳川を加えた戦国大名たちが、動乱の時代に「河東」をめぐって繰り広げる駆け引きのようすを史料や遺物から紹介するものです。

ここに、当山所蔵の「武田信玄公騎馬像」の掛軸が展示されることとなりました。この騎馬像、もともとは武田家の家臣であった高田家所蔵の物でしたが、高田家より当山へご寄進いただき、これを機縁として当山で修復、保管してまいりました。そして、このたび、河東をめぐる三国のうちの一つ、武田家由来の史料として企画展に貸し出すこととなりました。

せっかくの機会ですので、富士山かぐや姫ミュージアムまでぜひ足をお運びください。

修復前の武田信玄公騎馬像

境内の掃除をしました

12月7日、観音講にいらっしゃるみなさまのお力を借り、境内の掃除をしました。
風もなく日差しの暖かな午前中でしたが、秋から冬にかけての落ち葉が多く、まとめると7袋分の量になりました。気づかぬうちにこんなにゴミがあったのですね。私たちの心も同様です。知らず知らずのうちに汚れは溜まるもの。

払えども 払えども積む 胸の塵 南無阿弥陀仏の 箒はなすな

さとりとは程遠い凡夫の私たちは、普段の生活の中で、ついつい悪しき煩悩が芽生えてしまうものです。しかし、阿弥陀如来の光明の一つに清浄光と呼ばれるものがあります。それには、むさぼり・いかり・おろかさの三垢を消滅して心身に安らぎをもたらす功徳があると言われています。ですので、定期的に仏様に向き合い、私たちの心の垢を取り除いていただく必要があるでしょう。

お手伝いいただいた皆様は、まさに、清浄光のようなお働きをしてくださいました。おかげさまで、境内も短時間ですっかりきれいになりました。きっとお参りにいらっしゃる方も喜ばれることと思います。

お手伝いいただいた皆様、本当にありがとうございました。

南無阿弥陀仏

ラジオ出演のご報告-SDGsへの取り組み-

12月5日(月)、エフエムしみずマリンパルさんの番組「マリンパルほっとライン」に副住職が出演いたしました。出演したのは「Voice of SDGs~私たちのSDGs~」という10分程度のコーナーですが、ここで昨年から始めた農園部の活動を紹介いたしました。

寺院の飛び地境内を開墾し、就労を目指す若者たちと一緒に野菜を育てはじめて早2年。これまで、失敗しながらも、ジャガイモ、キュウリ、ナス、枝豆、オクラ、ネギ、スイカ、サツマイモ、カブ、スナップエンドウといろいろな野菜を育ててきました。月2回程度の活動ですが、継続的に参加する若者との仲も深まっただけでなく、地域の方、檀家さんとの交流も増えたように思います。そんな法源寺農園部の活動のきっかけ、これまでの歩み、今後の展望などお話しさせていただきました(法源寺農園部の歩み→ )。

さて、ラジオ番組のコーナー名にあるSDGsとはSustainable Development Goalsの頭文字をとったもので、「持続可能な開発目標」と訳されます。17のゴール、169のターゲットから構成され、「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことをスローガンに掲げた国際目標です(17のゴールの内容はこちらをご覧ください)。

「国際目標」というと大げさに聞こえますが、要は社会が持続していくために一人ひとりが生きやすい環境をいかにつくるかということに尽きると思います。農園部の活動がその一助となり、あらゆる人の生きづらさが少しでも和らぐような場所が寺院に作れたらと思っています。

南無阿弥陀仏

農園の一角に花壇をつくりました!

お寺の農園「青空」に新しいコーナーを作りました。

これまで野菜を育ててきましたが、耕しにくい川沿いに花壇を作りました。ここに花が咲いたら道を通る人も笑顔になるに違いません。レンガで区画を区切り、腐葉土を入れ、チューリップの球根とネモフィラの種を植えました。春には色鮮やかな花が咲くことでしょう。

どうぞお楽しみに!

最近は農園の場所を聞かれることも多くなりました。法源寺農園「青空」は、お寺から西へ約80メートル、徒歩1分の場所にあります。細い路地を入っていったところにあるのでなかなか来るまでは目につきにくいですが、ぜひ歩いてお立ち寄りください。

岳陽組おてつぎ奉仕団

知恩院三門

11月12日~13日、岳陽組の檀信徒の皆さんとおてつぎ奉仕団に参加し、総本山知恩院に登嶺してまいりました(おてつぎ奉仕団とは)。

みなさんで庭掃除

知恩院では別時念仏や礼拝、作務(掃除)に加え、布教師さんからの法話を伺い、信と行を深める機会をいただきました。とくに、夜の法話では、唱歌「ふるさと」の歌詞を手話付きで一緒に歌いながら、私たちの心のふるさと、帰っていくべき場所をお示しいただき、思わず胸が熱くなりました。

平等院鳳凰堂

翌日は、宇治の平等院、大津の石山寺を参拝し、観光も楽しみました。ちょうど昼頃から雨がぽつりぽつりと降り始め、石山寺では石段を上るのに苦労しましたが、本堂からの紅葉の景色は素晴らしく、一見の価値があるものでした。

紫式部ゆかりの石山寺

コロナ禍以降、組全体として遠出するのは初めてで、久しぶりの交流を通じて、横のつながりも深まったことと思います。日常を離れ、こうして浄土宗の教えや仏教文化に触れる機会を作ることは、自分自身を見つめなおすよい時間となるでしょう。それだけではありません、こうした機会を通じて、寺院と檀信徒の皆様が仲が深まるのはもちろんですが、寺院の垣根を超えて檀信徒の方々が知り合い、つながりができることで、より一層、ともに念仏に励もうという気持ちにもなるのではないでしょうか。

石山寺本堂からの眺め

仏教では、仏道に導いてくれる人のことを、善き友という意味で「善知識(ぜんちしき)」と呼びます。ぜひ、おてつぎ奉仕団にご参加いただき、みなさまにとっての善知識と出会ってください。みなさまのご参加お待ちしています。

南無阿弥陀仏

サツマイモの収穫

今年もたくさん穫れました

今年もサツマイモの収穫の時期を迎えました。

法源寺農園部では就労を目指す若者たちと一緒に家庭菜園ならぬ寺庭菜園をしています(活動の紹介はこちら)。

今年は、昨年よく穫れた安納芋にくわえ、紅はるかも植えていました。
おかげさまで、今年も昨年に引き続き豊作で、紅はるかと安納芋あわせて約30Kgほどの収穫になりました!品種が違うとずいぶん形も色も違うものですね。穫れた芋を見比べてみて、その違いに驚きました。

左が紅はるか、右が安納芋

一日では掘り切れないほどの量でしたので、娘の友達や近所の子どもたちに声をかけて、日を改めて芋掘りをしたほどでした。子どもたちもたくさんサツマイモが穫れて大喜びの様子です。

一人ずつ順番に…

収穫後は、穫れたサツマイモを本尊様にお供えし、豊作の御礼をお伝えしました。
こうして、多くの方に、いろいろな形で、お寺の門をくぐるきっかけが作り出せたらと考えています。

掘った芋をお供えして、みんなでお参り

来年はもう少し早く植付して、十夜法要のお供えにできたらなと考えています。
農園部の活動の続報を楽しみにお待ちくださいね。

なむあみだぶ

お寺のこれからを考える研修会に参加

10月19日(水)、静岡市で行われた「お寺の未来ミーティング」に、住職、副住職、そして副住職寺庭(奥さん)と一緒に参加しました。

これは浄土宗が主催し、各教区で行われている研修会です。これからの50年を見すえ、どのように仏教を伝えていくのか、若い世代への魅力を伝えるには、高齢化する檀信徒へのケアは・・・など、ワークショップ形式でグループディスカッションを交えながら丸一日研鑽を積みました。

いつも、こういった研修会は、住職、副住職の僧侶と寺庭婦人(住職の奥様方)と別々に行われてきたのが常ですが、今回、性別も世代も超え、地域の課題やお寺の課題に一緒に向き合い、考えるという貴重な機会をいただきました。

未来にお寺を残すには、やはり檀信徒のみなさんや地域の方々に「必要」と思ってもらわなければなりません。そのために、どういう活動をしていくのか、情報発信をしていくのか、とても大事になってきます。

法源寺でも、寺報『大久』(年4回発行)だけでなく、ウェブサイト、インスタやFacebookなどで情報発信をしてまいりました。ただ、皆様の元にどれだけ届いているのか、どんなことをお感じになったのか、コメントや感想などお聞かせいただけるとうれしいなと思っています。ぜひ、お寺の未来、地域の未来のためにお力をお貸しください。

もちろん対面でのアナログなコミュニケーションも大事にしてまいりますので、ひきつづきどうぞよろしくお願いいたします。

南無阿弥陀仏

令和4年十夜法要を厳修しました

コロナの感染状況は落ち着いてきたとはいえ、まだまだ予断の許さない状況が続いています。当山の一番の行事である十夜法要もコロナ禍での3年目を迎え、感染症対策を施しながら多くの人にお参りいただけるよう、ライブ配信なども含め準備してまいりました。おかげさまをもちまして、無事今年も厳修できましたこと、まず御礼申し上げます。

十夜法要とは、「我が名を唱えるものは必ず極楽浄土に救い摂る」という阿弥陀如来の誓いにご恩に感謝し、念仏の信と行を深める善き機会となります。

当日お参りいただいた檀信徒の皆様には、小塔婆と記念品をお渡しいたしました。これを機縁として阿弥陀様とのご縁をより一層深めていただけましたら幸いです。

また、法要後の法話では、当山副住職より「コロナ禍だからこそ考えたい葬送儀礼の意義」と題し、葬送儀礼がいつごろから行われるようになったのか、その作法にはどのような意味があるのか、また葬送儀礼が持つグリーフケアとしての役割などについてお伝えいたしました。

「簡単」「便利」が好まれるこの現代社会で、時間や手間をかける意味を今一度考え、先人たちの培ってきた葬送儀礼文化を後世に残していけたらと考えております。こちらの法話もYouTubeでご覧いただけますので、どうぞお聴きください。

南無阿弥陀仏

令和4年十夜法要のお知らせ

秋の彼岸が過ぎると今年もお十夜の季節になります。

法源寺を開山(建立)した方は、観譽祐崇(かんよゆうそう)上人という僧侶で、大本山・鎌倉光明寺の第九世(9代目住職)になられた方です。

当時、十夜法要は勝手に行うことができず、天皇の勅許が必要でした。 当時、幕府のあった鎌倉で高僧として名高かった祐崇上人が、宮中に参内し『阿弥陀経』の講義を行い、真如堂の僧とともに引声念仏を修したことで、時の天皇より勅許を受け、以来浄土宗寺院でも勤修されるようになりました。そのような理由から、当山の十夜法要は歴史が古く、開山以来、五百二十余年にわたり受け継がれてきた伝統ある行事です。

コロナ禍ではありますが、この法灯を絶やすことなく、今年も感染症対策に努めながら昨年と同様の形式で厳修することとなりました。また、当日の法要や法話の様子はYouTubeでも配信いたします。

ぜひ、多くの方にご参加いただき、法縁を結んでいただければ幸いです。

令和4年10月14日(金)

    14:00~ 十夜法要

    14:45~ 法話「コロナ禍だからこそ考えたい葬送儀礼の意義」

※十夜法要に際し、ご志納下さった檀信徒の皆様には供養した小塔婆と利剣名号のお札をお渡ししたします。ぜひお参り下さい。

南無阿弥陀仏

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